HFO（ハイドロフルオロオレフィンの略）は、HCFCやHFCなどの従来のソリューションの代替として開発された冷媒群です。HFOは、従来の冷媒に比べて地球温暖化係数（GWP）が非常に低く、オゾン層破壊係数（ODP）がゼロであることが特徴です。HFOの詳細については、こちらのページをご覧ください。

A2Lは微燃性ですが、適切に取り扱えば安全です。すべての冷媒と同様に、特定のコードや規格が適用されます。A2L冷媒の安全な取り扱いについては、こちらをご覧ください。

A2L冷媒は、欧州と日本で広く利用されており、北米と南米でも導入が進んでいます。米国の多くの州は、A2Lを利用できるようにビルディングコードを改正しており、コードと規格が最終決定される2024年までにA2L冷媒が広く採用される見込みです。

世界各国の規制機関がさらに厳しい排出抑制の要求を継続しているため、A2Lソリューション、つまりHFOとHFO混合物は、世界が従来の冷媒から移行するうえで重要な役割を果たします。たとえば、HFO系冷媒であるR-1234yfは、R-134aに比べてGWPが99%削減されています。

さらに、HFO系冷媒は、アンモニア、CO₂、プロパンなどの産業用ガス（いわゆる天然のもの）に比べて多くの利点があります。HFOの利点には、総所有コストの低減、ライフサイクル全体の排出量削減、製品の入手しやすさなどがあり、場合によっては安全性も大幅に改善されています。

地球温暖化係数（Global Warming Potential：GWP）とは、あるガスが1トン排出されるときに、そのガスが一定の期間内に吸収する可能性のあるエネルギーの程度を、二酸化炭素（CO₂）排出量1トンに対する比率として表す尺度です。

GWPは放出されたときにのみ要因となるため、「Potential（可能性）」という単語が使用されています。（冷媒は環境への放出を目的としていません。）

GWPは冷媒の持続可能性に影響を及ぼす1つの要素にすぎない点に留意することが重要です。

たとえば、低GWPソリューションの中から冷媒を選択する場合、エネルギー効率は重要な要素です。HFO系冷媒のR-454CとR-454Aを使用する冷凍冷蔵機器システムの10年間の総排出量は、遷移臨界CO₂（R-744）ブースターシステムよりも最大25%低く、プロパン（R-290）/グリコールシステムよりも最大15%低いことが試験で示されています。

持続可能なソリューションとして産業用ガス（いわゆる「天然」冷媒）が引き続き推進されていますが、A2L冷媒は、CO₂、アンモニア、炭化水素などの代替品よりも総所有コストが低く、ライフサイクル全体の排出量を削減し、安全性が高く、製品が広く提供されています。